ツキノエピソード

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黒に染まりし月の記憶



ボクは生まれたときからいじめられてた。



女兎「おいツキノ~?なんで言うとおりにやって(盗む)こねぇんだよ」



ツキノ「そんなの…したら捕まるよ…。」



女兎2 「ぁ?おまえあたしらに口答えすんの?」



そいつは…ボクの耳をつかみ思い切りギリギリとひっばる。



ツキノ「いっいたい!!いたい!!いたいから!やめてよぉ!!」



女兎3「あっはっはっ!ウケるんだけどwもっとやれやれw」



ボクは…なんでこんなこと


なんで…


なんで…


周りは見ているはずなのに。


だれもボクを助けてくれなかった。



ツキノ「は、はぁっ…はぁっ!?……こ、これでいい…。」



ボクは…


いいなりになってしまっていた…。



女兎「おー!おー!ずげぇずげぇ!おまえやっぱり屑じゃねぇかw」



ツキノ「…………。」



女兎2「こいつほんとにとって(盗んで)きたんだwあーあw犯罪者だ。」



ツキノ「え………。」



女兎3「これあーしらが通報してつき出せば誉められるんじゃね???」



ツキノ「…いや!まってよ!君たちがたのんだんだろ!」



女兎「は?おまえが勝手にしてきたんだろ?あーしらがおまえに恐喝した証拠でもあるの?…ないよな?」



ツキノ「………あるよ…みんなみていたんだ。確かに…見ていた。」



女兎「へー。ちょっとおまえきにいらねぇからこいよ。」



そいつらはボクを拘束し徹底的にリンチを始めた。



ツキノ「ごっ…ふっ…あ"ぁ"っ…!?」


(痛い…。痛い。ボクはいつまで…耐えたらいい?)



女兎2「いい顔になったね。よかったじゃん元々がぶっさいくなんだから。これでさらにぶっさいくになったじゃんwおめでとうございますw」



女兎3「でもさー?もう飽きたんだけど…」



ツキノ「……かっ…は………ぼく…は…。」



女兎「なんかいってんな…キモいんだよ!!!」



ドゴッ!!!



ツキノ「あ"ぁ"っ!?!?…」



横たわるぼくに容赦ない蹴り。


内蔵が…正直もう…。


兎の脚の威力は大きな岩ひとつ余裕で破壊できる。



ツキノ(だめだ…はやく…ほんとにはやく…なんとか…。)



あー…でも。


確かに…


ボクは罪を犯した。


それも一回じゃない。


これは…罰なんだろう?


ねぇ…そうだ…ろ?



わかっている。


自分がちゃんとしないから。


ちゃんと意見を言わないから。



女兎「くそがよ…もぉ…いいやおまえしんどけよ」



カラカラカラ…と何かを引きずる音が聞こえる。



女兎3「おい!さすがにやりすぎ!」



女兎2「たのしそうだし私もまーざろ!」



止めようともせず


面白そうに…。


まるでこれが本当の悪じゃないと言わんばかりに


悪びれる様子もなく。



ツキノ「……っ……こ…して…ょ…もぉ…殺して…。ボクはもぉ…嫌なんだ…自分も…この世界も…。ねぇ…はやく殺してよ!!!!」



女兎「そっ。じゃあ死にな。」



そいつは金属バットを思い切り振り下ろす。



ツキノ「やっと終わる…」



ドゴッ!!!!



ボクは…そこで意識が途絶えた。



真っ白の空間。



ツキノ「ん…あれ…ボク…。」



ボクは生きていた。


それどころか…怪我もない…え…。


何もかもが…おかしかった。



???「大丈夫?」



誰かがボクに話しかける。


実態は見えないのに



???「君は幸せになる権利がある。」



ツキノ「幸せ…?」



???「そうだ。いまから私が君に力を与えよう。それでその力を渡す変わりに私の力になってほしい。」



ツキノ「よくわからない…。君は誰なの?ボクは生きてるの…?」



???「願ったよね。死にたくないって。」



ツキノ「…………願ってない。」



???「願ったんだよ。生きたいと死にたくないと。私は君を見ていた。」



ツキノ「見ていた?だって…君も周りと一緒か…。」



???「そうだね。」



ツキノ「そんなやつにぼくが手を貸すと思っているの?」



???「思っていない。だから、交換条件だ。」



ツキノ「…交換条件?」



???「ああ。君に幸せと能力を与える。」



ツキノ「…意味がわからないんだけど。」



???「私の目的はとある世界の崩壊を…いや…いずれはこの宇宙全体の崩壊に繋がる事象を何とか止める使命があるんだ。」



ツキノ「崩壊…?」



???「おじさん。説明するのが下手くそなんだ。」



ツキノ「いや普通にわかるからいいよ。」



???「本当かい!?ならよかった…。」



ツキノ「要するに…あなたが面倒くさいやつってことですよね?」



ぴりりと体になにかが入り込んだような感覚。


すると…



ツキノ「なになになにっ!?」



ばちち…


はちばち…



ボクの体から電気…がでてる。



ツキノ「なにこれ!?」



???「よかった。うまいこと適合できた。」



ツキノ「ちょっ!お前!何勝手に…!」



???「これで能力の譲渡完了。」



ツキノ「の、能力!?…はぁ…。なんかもう…いいや…。つかれた…。」



???「どうした急に。」



ツキノ「しばきますよ」



???「時間はあまり無くてあまり話せない。」



ツキノ「勝手すぎるでしょ貴方…結局…あの時ボクは?」



???「………。」



ツキノ「…じゃあここは?天国?地獄?」



???「ここはそのどちらでもない場所。いわば狭間(意識の世界)死んだら本来はその魂は摂理により分配され裁定され行く先は決められている。私はその摂理から除外されている者。つまりは…チートスキル持ってるおじさんだ。」



ツキノ「「わかんないよ!!というか!おじさんなの!?」」



???「さっきからおじさんおじさん連呼してるよ。とーにかーく。幸せになるんだよ。私がそうしたい。 」



ツキノ「…あっそ。……で?これからどうするの…?」



???「君にはとある世界。いくつも世界は存在するんだけど…かくかくしかじか…。」



ツキノ「…要するに…世界を救うために仲間を集めてるってこと?」



???「そーそー。飲み込み早くて助かるよ。」



ツキノ「……。(うぜいですね…。)…でもそれと幸せがどう関係あるの?」



???「君がこれから出会う仲間。きっと君の本当の意味での友達になれる。」



ツキノ「……だと良いですけどね。」



???「きっと仲良くできるさ。」



ツキノ「…………。」



???「他の世界でまた救わないとダメな子がいるんだ。」



ツキノ「お前のやってることが本当の救いになってるのか。ボクにはわかんない。なんで…そんな悲しそうなんだ。お前は?」



姿は見えない。


けど声色でなんとなく感じる。



???「私は昔のこと。覚えてないんだ。というか…忘れてしまったというべきなのかな。この姿になる前、私もとある世界で生きていた存在…だった。」



ツキノ「…だった…?」



???「……忘れてくれ。」



ツキノ「……。よくわかりませんが。なんとなく。仕方なく。本当に。しぶしぶ…癪なのですが。…手伝いますよ。嫌ですけどね。本当なら死人として目覚めたくなかったですけど!ボクを必要としてくれるヤツがいるなら。」



???「………。」



ツキノ「しょうがないのでやってやりますよ。」



ボクはなぜ


この選択をしたのか。


なぜアイツらと同じ傍観者だったこいつに


手を貸したくなったのか。



???「いいのかい?…あんなにも嫌そうにしていたじゃないか。」



ツキノ「誰のせいだと思ってるんですか?おせっかい焼いたのは誰ですか?世界救ってくれとか言ったのは?」



???「ちょっ…あ、すみません。ごめんなさい。」



ツキノ「……ボクは幸せになるために。行くんですよ。」



???「……。」



ツキノ「…幸せにしてくれるんですよね?」



???「…ああ。きっとなれる。」



ツキノ「適当なやつですね。貴方は。」



空間が歪み


ポッカリと黒い空洞出現する。



ツキノ「うわっ!?なんですかこれ!」



???「じゃあいまからこの世界で黒上いぬこというケモミミ狼っ娘がいる。ここで彼女と出会い仲間になってくれ。あと私のことは内密にね?おくちチャック!おじさんとのお約束だぞ!」



ツキノ「無視ですか」



???「えっ…」



ツキノ「…はぁ…きっと会うことは無いでしょうから言っときますが勘違いとかしないでくださいよ?……ボクはボクのためにその世界に…行くんです。あなたの願いはついでですからね。」



???「…ああ。どうか。君のその笑顔がずっとたえないことを見守ってるよ。じゃあ飛んでくれ。」



ボクは真っ暗闇のその空洞に飛び込んでいった。



???「どうか…君に幸せがあらんことを。」



まばゆい光の渦にのまれボクは地面に着地する。


目を開けた視界にうつるのは木ばかり。


森だった。



しばらく歩いてみる。



いぬお「はああああああ!!!」



魔物「ぐおおおおっ!!?」



いぬお「つ、つよい…ちょっとまずいな…姉貴をかばいながらじゃこうげきできねぇ…こんな時リューコと鬼神がいりゃ…。」



戦っている!?


1人は怪我してるみたいだ…助けないと!


ボクは颯爽と飛び出した。


脚に無意識にまるで最初からその技を知っているかのように体が軽く動く。


化け物めがけて思い切り叫んだ。



ツキノ「らいとにんぐ!ばにー!きぃぃぃぃっくぅ!!!!」



もはや閃光その蹴りはその魔物を一撃が直撃。



魔物「ぐおおおおおおおっ!?!」



化け物はその場から吹き飛ばされ崖に激突し絶命。


砂埃が舞う中ボクはキョトンとする二人に告げた。



ツキノ「だれがよんだか…よばれていないか。君の笑顔を見てみたい。つきのうさぎが使命を受けていざ、参上ってね!」



この時初めてボクは


黒上姉弟との出会いを果たす。


この出会いが後にとんでもない事件に繋がる道になるなんてボクは思いもしなかった。



次回【零却寺プロジェクト】星の欠片集



【システィ編】












 



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コメント: 1
  • #1

    ツキノ (土曜日, 25 5月 2024 04:17)

    ボクはこの時本当に何もかもが嫌になってたんですよね。
    今でも多少残っちゃいますが…きっと今のボクとこのボクは別物でしょうね!
    むっふふふ!