リューコエピソード

※画像をタップするとキャラクターの詳細へアクセスされます

※画像をタップするとキャラクターの詳細へアクセスされます


龍の記憶。



絶氷龍「我が娘よ。」



名も無きアタシにそいつは話しかけてくる。


アタシはキッと目を向け反抗的な態度をとる。



絶氷龍「なぜ。我に敵意を見せる。……まぁ…いいだろう。何故だ娘よ。何故人を食わぬ。」



偉そうにアタシに問いかけてくる。


答えるのも面倒くさいけど、私は人間を食べないし傷付けたくない。



名も無き龍「そんなの嫌だからよ。お前は全然わかっていない。人間は悪いやつじゃない。本当に酷いやつもいる。でもアタシはそんな愚かで脆弱で最弱に救われた。」



?「くだらん。たった一回きりだろう。そんなのは気まぐれにしか過ぎない。人間なぞ、我らドラゴンには塵同然だ。今、情がわけばお前は戻れなくなる。後悔する。」



絶氷龍(愚かな娘よ…。人間は裏切る。裏切るのだ。かつての我が信じた人間は人間たちによって殺された。今思えば…関わりさえしなければ…。彼女は…生きられたのだろうな…。これがなんの因果かわからない。今、目の前にいる我が娘の目は…人間を愛していた頃の我の姿だ。皮肉なものだな…。)



名も無き龍「アタシは後悔しない。アタシはアタシの意思で…っかはっ…あ、…ぁっ…”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”ぁ”ぁ”ぁ”ぁ”ぁ”ぁ”ぁ”ぁ”っっっ!!!!!」



絶氷龍「始まったか…。」



名も無き龍「なんだと……っぐぅっ…”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”ぁ”ぁ”ぁ”ぁ”ぁ”ぁ”ぁ”ぁ”っっっ!!!!!」



絶氷龍「お前はもう…生まれたときからこの運命だった。ドラゴンの血に抗えるならあがいてみよ。まぁ…飲まれるだけだ。やがて人格は闇におちお前のその愚かな考えを消し去ってくれるだろう。」



そいつはそう言うとアタシの前から姿を消した。


そいつは白くただ白く真っ白で雪のような大きな翼を広げ羽ばたいていく。


アタシはそいつにしがみつこうとした…


けど体が言うことを聞かない。


アタシの体なのに。



名も無き龍「…はぁっ…”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”ぁ”ぁ”ぁ”ぁ”ぁ”ぁ”ぁ”ぁ”っっっ!!!!!ぐぁっ!!?あ、あづいぃ…焼ける……いだいぃっ…う、ぅヴ…ぁっ…」



人の姿をしたドラゴンの娘は


まがまがしい青い炎に焼かれていく。


からだはやがて凍てついた皮膚へと変化し始める。



名も無き龍「いやだっ!!アタシはっ!ドラゴンになんて…”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”ぁ”ぁ”ぁ”ぁ”ぁ”ぁ”ぁ”ぁ”っっっ!!!!!!」



ズズッ…



名も無き龍(足が…腕が…全身が冷たい…のに熱い…。いだい…あづい…あづいあづいあづいあづい”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”ぁ”ぁ”ぁ”ぁ”ぁ”ぁ”ぁ”ぁ”っっっ!!!!!)



とうとう体が飲まれ…。



苦しみもがき、その先に見える絶望が。


アタシの視界を凍てつかせる。



どくん…



どくん…



鼓動はやがて大きくなる。



なにかがアタシに語りかける…




…ろせ……



どくん…!



すべ…ろせ…



ドクンッ…!



はか…い……ぜつ…う…を。



どくん…ドクン…!



すべて…殺せ。



あ、た、…し…。



って…だれだっ……あたしは…。



パリ…


心が…壊れた音がした。


強くあろうと気を張るアタシの心は…


暗い暗い深層の闇へ堕ちた。



真っ暗の闇に堕ちて行く深い深い闇の底



意識は…薄れていく。



だれ…か…。



だれか…アタシを…




名も無き龍「殺して」



世界を氷の世界へ変えた


伝説の龍クリスタルブリザードドラゴン。



たくさんたくさん。


殺した。



なにも感じない。


ああ。


そうか…もう。



あの人間たちは…



いや…そんなのしらない。


アタシはこの世界を壊し破壊し殺し尽くす。


ドラゴンの使命だから。



なんのために…。



わからない。



私には名前があった


とある人間の少女がつけてくれた


大切で唯一無二のアタシの…


アタシの…なんだ…。


思い出せない…


あんなにも大切だったはずなのに…。



思い出すらも氷の中。


アタシは1人…


この白い世界を支配する。


たった一匹の最悪の龍


クリスタルブリザードドラゴン。


 


ザッザッザッ…


白く積もる雪を踏みしめて


たった1人。


もう絶滅していたかと思っていたはずの存在。



人間がいた。



そいつは白いローブの姿で顔はよく見えない


淡々とそいつはアタシに話しかける。


すぐに氷漬けにしてやった。


即死だろう。



けどそいつは死んでいない。


まさか。


そんなあり得ない。


ただの人間が…。



白いローブの人間は語りかけてきた。



ローブの男「ずいぶんと。苦しそうだ。君は。」



声色からすると落ち着いてる様子で語るそいつ


男なのはわかった。


だが…わかったところで話すことなど無い。


結論は決まっている。


殺す。



アタシはキッと男を睨めつける。


しかし男は一歩も引かなかった。


前へ一歩。


男は告げた。



ローブの男「残念だけど。君は僕を殺せない。」



クリスタルブリザードドラゴン(人間風情が…ナメている)



クリスタルブリザードドラゴン「…ほざけ。人間。貴様は何しにここへ来た。」



ローブの男「僕と口を利かないんじゃないのかい?」



クリスタルブリザードドラゴン「貴様。ずいぶんと態度がでかいではないか。」



ローブの男「君が拒んだんだろう?」



クリスタルブリザードドラゴン「だまれ。」



ローブの男「理不尽すぎないかい?」



クリスタルブリザードドラゴン「…くだらん。凍てつけ。」



大きな氷の翼で絶氷の吹雪をぶつける。


大抵の人間なら死に至る冷気。


お前はどうだろうな人間。



ローブの男「もういいや。君さ?ドラゴンやめたくない?」



目を疑った。


こいつは…人間であって人間じゃない。


アタシの背後をとっていたんだ。



この男との出会いがアタシとあの人間を繋ぐ


救世主になるなんて…


今のアタシは思いもしなかった。



この結末は欠片でしかない。


だからその結末はいずれ語られる。


その日思い知ることになる。


この物語が終わりない旅路の始まりであることを。



次回【零却寺プロジェクト】星の欠片集



【鬼神椿編】





コメントをお書きください

コメント: 2
  • #1

    リューコ様 (土曜日, 25 5月 2024 01:54)

    あのさぁ!もう少しリューコの事ちゃんと記載しなさいよ!

  • #2

    リューコ様 (土曜日, 25 5月 2024 01:58)

    ローブの男とお父様ウザいわね…氷漬けにしてやりたいわ�