黒上いぬこ、黒上いぬおエピソード

※画像をタップするとキャラクターの詳細へアクセスされます

※画像をタップするとキャラクターの詳細へアクセスされます


黒上いぬこ、黒上いぬおエピソード

私の名前はいぬこ。


黒上いぬこ(くろかみ)



私は今…幸せです。



いぬこ「今日もがんばってご飯の材料を…と。」



私の朝は早い。


朝は正直に言えば苦手。


でも…頑張って生きられるのは…



いぬお「ん…っ…あねき…むにゃ…」



このむにゃむにゃと寝言を言っている子が理由だ。


私は起こさないようにそーっといぬおの顔を覗き見る。


すると少しニヤけながら私の事を口にして寝ている。


私はそれを見て愛おしく感じる。



いぬこ「ふふっ…いぬおはいつまでたってもかわいい。」



私には弟の「黒上いぬお」がいる。


私といぬおは深い深い森で両親に捨てられ当時私は狩りが出来るほどではあったがさすがに限界があった。


しかし、私は…あきらめない。


なぜなら…いぬおを守りたかったから。


捨てられた現実を突きつけられてなにかが壊れそうになった時…いぬおはそんな私を見て笑いかけた。


私はただただ…くやしくて。情けなくて。


でも…いぬおが私を頼ってくれている。


私しかいない。


それからというもの食料の本格的狩りや作戦を練るようになる。


わずかながらもいぬおもそんないぬこをみて感じた。



いぬお(……俺も姉貴の手伝いがしたい…。)



いぬこ「大丈夫だよ…。」



優しく答えるが体はボロボロだった。


それもそのはず。


いぬこはいぬおが寝たその隙をみて狩りを開始していた。


食料には困らなかった。


でも…やつれてボロボロのいぬこを見ていぬおは決意する。



いぬお(絶対に…姉貴の力になりたい。)



俺は考え考え考え抜いた。


持久力、戦闘力、洞察力、何者にも追い付かれないくらいの素早さ、冷静さ。


姉貴が寝ているあいだ沢山の努力と訓練を根性で行い。


そして…。



この世界には魔物という狂暴な生物が存在する勿論一般的な自然生物も存在しているが最近では魔物の肉も調理次第で食えるものがある。


姉貴に喜んでもらいたくて狩りに出かけている最中、魔物に出くわしてしまう。



いぬお「はあああああっ!!!」



魔物「ーーーーーーっ!?!?」



魔物は俺よりも少し大きめで見た目は巨大なイノシシといった姿だ。


突進ばかりの攻撃で俺に猛攻してくる。


単調な攻撃と見くびってはならない。


相手も命をかけての戦い。


戦いに集中していく。


あらゆる木々が薙ぎ倒されていく中で足場が倒れた木々でつまづきそうになる。


何とか体制を整わせてこちらも思い切り物理で殴り飛ばそうと攻撃を繰り出す。


硬く拳を強固にし隙を見極め拳に全体重をのせ魔物の頭上に拳を突き出し叩きつけた。



バコンっ!!!!



しかし魔物の表皮は硬くなかなかダメージを与えられそうになさそうだ。



いぬお「なんつう硬さだよ…っ…!」



魔物「ーーーーーーッ!!!!」



俺の攻撃で怯みもしない。


さっきよりいっそう突進のスピードが早くなってきている。


気がついたときには背後にいるレベルに素早さが上がってきていた。



いぬお「食ってやろうってんだから…そりゃ必死になるよな。…でもなぁ…俺も狼だからさ。肉…食べてえんだよな。」



魔物「ーーーーーーッ!!!」



間髪入れずに再び猛攻を仕掛けてくる魔物を真正面で受け止めてみせた。


圧倒的に重いし、マジで気張らないと今にでも突き飛ばされそうだ。



いぬお「んぐぅううううっ!!!」



意識が飛びそうなくらいだけど…


今日も姉貴に笑っていて欲しいから。


たったそれだけの想いが俺を鬼にさせる。


魔物の大きな牙を掴みゆっくりと後ろに投げ飛ばす。



いぬお「んぐぅううううっおおおおおぉらああああっ!!!」



魔物は仰向けになるように地面に


叩きつけられ悲痛の声を上げる。



ドッシーーンッ!!!



勢いよく砂ぼこりが舞う中


ギラリと光る赤い瞳はまさに狩人の目をしていた。


魔物の大きな腹に馬乗りになると俺は魔物に最期の別れを告げた。



いぬお「悪いな。俺たちのエサになってくれ。」



鋭く尖った爪で魔物を引き裂いたのだった。


どうやらお腹あたりは皮膚が柔らかかったようだ。



魔物「ーーーーーーーーーーーー……ッ!!!?」



けたたましい叫びをあげて魔物は倒れた。


それと同時に俺も倒れる。


ドサッ…


仰向けになり空を見上げると綺麗な青空が広がって見えた。


しばらく休憩した後、魔物を解体。


家へと運んでいった。



いぬお「よし!姉貴よろこんでくれるかな!よっしゃ!帰るぜ!」



森の奥深くに俺たちの宿はある。


小さいけれど姉貴を安心させたくて


俺が作った。


俺達(家族)の帰る場所。



一方その頃いぬこは…



いぬお「今日は俺が狩りに行く」



いぬこ「えー!?私もいくよ?」



いぬお「いや!だめだ!ここのところ姉貴に色んなことしてもらってばっか。俺もなにか力になりてぇんだよ!たのむよ!」



いぬこ「……気持ちはわかるけど…。私は…姉として…。」



いぬお「じゃあ…今日の夕飯。姉貴が作ってくれよ。」



いぬこ「…んーー。わかったよ…。その代わり早く帰ってきてね?それと無茶は絶対しない事!」



いぬお「しないしない。大丈夫大丈夫。」



いぬこ「とか言ってこの前!服もボロボロだったし少しキズもつきまくりだったじゃない!」



いぬお「狩りに傷はつきものだ。」



いぬこ「そりゃ…そうだけどさぁ…。」



いぬお「…大丈夫だって!じゃ!このままやってても埒が明かないし行ってくる。」



いぬこ「ちょっ!まっ!!」



いぬおはそのまま早々に家をたってしまった。


そして…


こっそり気づかれないように…実は陰から見ていたいぬこ。



いぬこ「…ぇえ…ほんとに倒しちゃったよ…。」



どうなるかと思ったけど…。


あんな真剣な顔されたら見守るしか出来ないよね。


気づかれないうちに家に戻っていっぱい褒めてあげないとね。


私は家へと帰宅しいぬおの帰りを待ったのだが…。


ここで少しからかってみようと気絶しちゃった作戦を思いつき実行に移したのだった。



いぬお帰宅後…



いぬお「ただいま!みろよ!今日は……。」



いぬお「………っ!?」



いぬおが見たのは床に倒れたいぬこだった。



いぬお「おっ!おい!!姉貴!!!しっかりしろ!」



いぬこ「…ん…。」



いぬお「…あ、あねき…よかった…。」



いぬこ「…チラっ…ぎゅー!おかえりー!」



いぬお「…はっあ!?やめっ!?なんなんだ!」



いぬこ「…いや…かわいい反応するなーって…ってね?少しからかっちゃった。…ごめんね。」



いぬお「……べ、べつにいいよ…(かわいいし)」



いぬこ「…ふふっ…。今日のもすごいね…すごい大きいよ。これはどう料理したものかな…むむ…。」



いぬお「適当適当!姉貴いつもがんばってんだから!今日は俺にやらせてくれよ。」



いぬこ「えっ??いや!いぬお言ったよね!私に料理してほしいって!それに帰ってきたばかりだし!!」



いぬお「だって!あーでも言わねぇと!ついてくんだろ?姉貴?」



いぬこ「そりゃそうでしょ!」



いぬお「…ほらなぁ?…とにかく!俺がやりてぇんだよっ!…な?たのむよ!」



いぬこ「……はぁー………わ、わかったよ。じゃあ楽しみにしてるね?」



いぬお「よしっ!まかせろ!」



いぬおは本当に嬉しそうな笑顔で笑って返事を返してくれたのだった。



こんな日常が続けばいいと思っていた。


けど徐々にこの平凡で幸せな日々が変わっていくなんて思いもしなかったのだった。



次回【零却寺プロジェクト】星の欠片集



【クリスタルブリザードドラゴン=リューコ編】






コメントをお書きください

コメント: 3
  • #1

    黒上いぬこ (土曜日, 25 5月 2024 01:52)

    私!いぬこ!よろしくね!

  • #2

    黒上いぬお (土曜日, 25 5月 2024 01:55)

    やっぱり姉貴は可愛いよな…

  • #3

    黒上いぬこ (土曜日, 25 5月 2024 01:59)

    いぬお!?
    なに言ってるの!?