【星の崩壊の始まり世界線】
俺にはたった一人の姉がいる。
強くて優しくてかっこいい姉貴。
小さい頃に俺達は両親に深い森の奥で捨てられた。
姉貴はたった一人で俺を育ててくれた。
今でも忘れない。
姉貴を支えるために俺は筋トレをしまくった。
どれもキツくて死にそうだったけど耐えた。
俺には姉貴のように能力が使えない。
だから鍛えて支えるしかなかった。
料理や狩りも姉貴のために努力してある程度出来るようになり、木製だけど家を建てられるくらいには成長を遂げた。
いつもどおり変わりない日常が続く中で姉貴の様子が少しずつ変化しているのに俺は気がつけなかったんだ。
ある暁の夜のこと。
気味が悪い暁が射す光で目が覚めてしまった俺は外の空気を吸いに出た。
外には姉貴も立っていて、俺は姉貴も眠れなかったのかと思い込んでいた。
けど違った。
暁に照らされる姉貴の影が異常な形をしていて俺はものすごい恐怖と狂気を感じる。
「姉貴…ど、どうしたんだよ。」
振り向く姉貴の瞳は虚ろ。
瞳の奥にどす黒い憎悪が渦巻いているようだ。
「いぬお…私は…この世界を滅ぼすの」
意味がわからなかった。
滅ぼす?なんの冗談だ?
「姉貴…寝ぼけてんのかよ。しっかりしろって!」
「…………。はぁ…。」
ため息を付いた矢先何かに首元を強く捕まれ家の壁に叩きつけられる。
「がっ!!?」
「黒上いぬお。初めまして。私は逆月ヒメリ。この子の器に寄生した破壊の神。【厄神】私の役目のため私の存在理由のために私はこの世界を…破壊する。」
「頭ごなしに…べらべら喋りやがって!」
両手に力を込め鋭く尖った爪から斬撃を飛ばす。
斬撃は勢いよく鋭くいぬこに向かって飛んでいく。
予想通りに厄神は攻撃を簡単に弾く。
その瞬間懐には犬との拳が入る。
感触は確かにいぬこの腹を勢いよく打ち抜く。
衝撃からいぬこは木々ごとなぎ倒し突き飛ばされる。
「………。」
「ふふふ。容赦ないな。自身の最愛の姉だと言うのに…。」
「俺には姉貴みたいに能力は無いからこう積極的じゃないとやれないんだ。」
「そうだったな。じゃあ…こいつの能力に殺されれば本望か?」
姉貴に成り代わっているやつは姉貴の扱う【火炎】の能力の桁違いの威力で俺を攻撃してくる。とてもじゃないが…これは異常だ。気づけば当たりが火の海に包まれ大災害級だった。
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