【秋野大図書館】#1

夏期の暑い日差しはまだまだ良好。

しかし、時期は秋期(しうき)になり江野町商店街では秋野商店街から流通されているものが増え江野町商店街はそれなりの賑で溢れている。

秋期といえば…食べ物もそうなのだが…まだまだ魅力的なことがたくさん。

今回はその中の一つ。

朗読の秋期。

秋野大図書館のエピソード。


開幕です。


秋野大図書館にて


「んー…遂にこの季節が来たかぁ…」


「だらし無いぞ文香」


このぐでぐででテンション下げ下げの女。

桔梗院文香という。

文香はマイベッドでゴロゴロしている。

そこへ螺旋階段から上がってきた文香のお世話係兼居候の遊曲禍音が文香に喝を入れる。


「この時期になると毎回毎回、どうしてそんなぐだぐだになるんだ。しゃっきりしろ!シャッキリ!」


「もー!やかましいなー。べつにいそがしくないだろー?今は。」


「だめだ。この時期になるとたくさん本を借りていくやつが来るから俺だけじゃ限界がある。それに…例のお得意さん目覚める時期だぞ?いいのか?」


「あ、…………あぁ…奴かぁ………。」


桔梗院文香は大きなため息と共に寝返りを打ち体を起こす。

寝起きの文香はふと閃いた。


「禍音!期間限定…人を雇うぞ!」


「はぁ?!お前!面倒くさいだけだろ!」


「たまにはいいじゃない!たまには!」


「いつもぐでぐでしてんだろうが!」


その後最終的に禍音は押し負けてしまい渋々、大図書館のバイトを募集することになった。


ーーーーーーー。


「今日の買い出しは…山イノシシの肉、海マグロの刺し身…それから…活きキャベツ…。」


何やらブツブツとつぶやきながら江野町商店街で買い出しに来ている人狼黒上いぬこ。

メモとにらめっこしながら今日の買い出しをこなしていたのだった。

いぬこはメモに夢中で何かとぶつかってしまう。

ドンッとぶつかってしまうのだ。

ぶつかった衝撃で尻餅をついてしまったいぬこはお尻をさすりながら起き上がり前を見る。

するとあまり見かけない顔の人間の男の人が同じように尻餅をついておそらく手に持っていたであろうチラシがその場に散らかっていた。

慌てて謝罪の弁と起き上がる際に男の人に手を差し伸べ男の人はいぬこの手を取り置き上がった。


「ったく…どこみてあるいてたんだ!」


「ごめんなさい!怪我はありませんか?」


「……大丈夫だ。」


次に散らばったチラシを一緒に拾いながらチラシの内容を見てしまう。

そこに書いてあったのは「来たれ!秋野大図書館スタッフバイト!」というものだった。


「え?図書館のバイト?」


拾い上げ見つめているとぶつかった男の人が話しかけてくる。


「バイト気になれば来てくれると助かる。うちの上司はちゃんとできる人なんだが…最近は多忙になりつつあって、バイト捕まえてこい!って急かされてたんだ。」


「そうなんですか。たいへんだねー。」


少しこの話の間が開く。

男の人はこちらをじっと見つめて頼み込んでくる。


「よければどうだろうか?助けてくれないか?」


いぬこは性格上このような人を放っておけない。

即決でいぬこはバイトを受けることにした。

まだ買い物の途中だったのでまた後日男の人と江野町商店街の喫茶店で待ち合わせることにした。

男の人の名前を聞くのを忘れてしまったがまぁ大丈夫だろうと思い買い物を続けたのだった。